| 平成十年度の中国観音霊場秋季合同法要が島根県の二十六番医王山一畑寺で十月二十一日(日)盛大に挙行されました。 天候にも恵まれ、中国五県はもとより遠く各地より数多くの信徒の皆様方のご参拝をいただいて無事円成いたしました。 合同法要というひとつの華やかな宗教儀式の裏には、これに関わって頂きましたすべての方々の篤い信仰心あってこそということを、改めて痛感させて頂きました.本当に有難うございました。 二十一世紀を目前にして世相は混迷を極めています。物質至上主義の価値観から次なる新しい価値観へ、と言われて久しいのですが、なかなか一筋縄では行きません。環境の問題、教育の問題、福祉の問題など、世の中の多くのことがらは、結局は心の問題であるように感じられます。霊場巡拝に出かけること、ふと墨をすって写経を行なうこと、その他にも色々ありますでしょうが、ともかくそういう時間っていうのは大変貴重なものだと思います。 原始仏典のなかで最古のものといわれるスッタニパータという経典に次のような一節があります。 「あたかも、母が己が一人子を身命を賭しても護るように、そのように一切の生きとし生けるものに対しても、無量の慈しみの心を起こすべし。また全世界に対して無量の心を起こすべし。上に下にまた横に、障碍なく怨恨なく敵意なき、慈しみを行なうべし。立ちつつも座しつつも臥しつつも、眠らないでいる限りは、この慈しみの心遣いをしっかりと持て。この世ではこの状態を崇高な境地と呼ぶ。」 漢字のお経よりも、むしろストレートに私たちの心に入ってくるかも知れません。 観音様のお徳を『大慈大悲』と申しますが、この経典にもその「大慈大悲」について書かれています。 観音信仰を通して、仏徒である私たち自身こそがこのような心をもって日々を送らなければ、と誓願したいと思います。 そして、当霊場会の活動が一人でも多くの方々が仏縁を結ぶことになりますよう、心よりご祈念申し上げるものです。 |
| 第二十六番札所 一畑寺 住職 飯 塚 大 幸 |
