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安心anjin法話~観音さまからのメッセージ~

2024年12月18日

自利利他の実践

仏教を一言で表現するには、大変奥深く単純ではないようにも感じますが、真言宗の祖弘法大師空海様は次の言葉を残されています。「それ釈教(しゃっきょう)は浩汗(こうかん)にして際なく涯(がい)なし。一言(いちごん)これを蔽(おお)えばただ二利(にり)あり」仏教の教えは、際限なく広大な教えであるが、一言でこれを表せば”二利”に尽きる、という意味です。二利の実践は仏教を感じる上で最も重要な事と言えそうです。

二利とは自利(じり)と利他(りた)で、簡単に言うと自利は自分の幸せ、利他は他人の幸せという表現になりますが、重要なのは、自分だけの自利、他人だけの利他といったように、二者択一にせず、二つに分けないことにあります。自分の幸せは他人にとっての幸せに、他人の幸せは自分にとっての幸せにつながるという相互作用の関係を理解し、意識して実践する事が肝要です。

面白いのは意識からの実践が習慣化すると、無意識に心が磨かれ、自ずと心身が健全に動くようになる事です。最初は誰かに言われて始めた町内のゴミ拾いや、挨拶運動も、他人が喜んでくれた時、本当の幸福を感じます。次第に誰も見ていなくてもゴミは拾うし、挨拶もするようになり、自分の幸せしか見えていなかった自分から、相手の喜びや悲しみを自分事のように感じられるようになります。

仏教ではこれを慈悲といいます。この御心は二利を意識し、実践に移していくことで醸成され、慈悲で満たされると確信しています。

中国観音霊場巡礼。今生かされている事に感謝し、大切な誰かの事を想いながら観音様と歩く旅です。心が前向きになり、自分も相手も幸福で満たされたとき、次の誰かの為の幸福の連鎖が始まります。

世界中の一人でも多くの方が自利利他円満で、世界平和に導かれることを切にお祈り申し上げます。

合掌

中国観音霊場 一番札所 西大寺

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